2007年 11月 05日
数週間前から右耳から異音がしてました。 耳掻きや綿棒で耳の穴をカキコキすると、グォッ~というなんとも嫌なノイズが発生していたのです。 気になっていたのですがなかなか釣りに忙しく、病院へ行っているヒマがありませんでした。 とうとう今日、意を決して耳鼻咽喉科を訪れました。 初めていく病院は怖いです。 「あ~~、ダメですね、こりゃ。切除しましょ。」とか、一大事的なことを平気で軽く言うんですよね、医者っていうのは。 十数年前、人生を変えるくらいの大病をしました。 A型急性肝炎という病名で、劇症肝炎寸前でした。 A型急性肝炎とは、今話題になっているC型肝炎の遠い親戚です。 ウィルスによって経口感染します。 また、劇症肝炎というのは、急激にウィルス等によって肝臓の大半がが破壊されてしまい、 唯一自己再生能力を持つ臓器である肝臓でさえも、 その再生能力を大幅に上回る速度での破壊に負けてしまうというオッソロシイ病気なのです。 後に担当医から、あと数時間処置が遅れていれば、非常に命が危なかったといわれました。 その時、1ヵ月半の入院と2ヶ月の自宅療養を経験しました。 小田原の小さな居酒屋で出張の帰り一人で食べた富山の寒ブリ。 あっさりした脂が程よく乗り、小田原の地酒と共にまさに絶品でした。 しかし、そいつが犯人でした。 寒ブリについていたA型肝炎ウィルスが経口によってワタクシの体内に侵入し、 約2週間の潜伏期間を経て発症したのでした。 入院中、病状が安定してきて退院を判断するための最終検査の日。 ベットに横になり、おなかにニュルニュルを塗られエコーもとりました。 顔色が赤銅色で、消化器科の医者としてもっとも「失格」のレッテルが似合いそうな担当医が、 結果を聞くのに緊張しまくりのワタクシの目を見ずに、 モニターに映し出されたワタクシのいとおしい肝臓を見ながら、 「あ~~ぁ、こりゃ【シボウカン】だな。」・・・と言い放ったのです! やっと黄疸が取れて健康的な人肌色になり始めたワタクシの顔から血の気が引いて、 一瞬にして青ざめていくのが自分でも分かりました。 黄色→肌色→青色、です。 頭の中は、この医者だけには言われたくなかった「肝臓の死亡宣告」でいっぱいになってしまったのです。 「シボウカン、しぼうかん、死亡カン、死亡肝・・・・」 あわわわ、退院どころか死亡です。 涙も出ません。 「あ、大丈夫大丈夫。そんなにひどくないから。」 ひどくない死亡ってなんなんだ!? 「自慢じゃないけど、私のほうがもっとビッシリだよ。」 「ただ、今後食生活、気をつけなきゃどんどん付いちゃうからね。」 「いったん付いちゃうとなかなか取れないんだよ、肝臓のシボウは。」 「・・・・・センセイ、シボウカンってなんですか?」 「だから肝臓の周りに脂肪がいっぱい付いちゃっているってこと。ま、日ごろの不摂生のせいだね。」 「命に直接関する重大な病気ですか?」 「ハハッ、だとしたら私はとっくに死んでます。シミさんは、血液検査の結果順調に回復してますよ。今週末退院してもいいでしょう。」 涙が溢れた。 退院ももちろん嬉しかったが、脂肪肝が死亡肝じゃなくって本当によかった。 で、話はそれましたが本日の耳鼻咽喉科。 初めて経験する症状を抱えて病院へ行くというのは不安でいっぱいです。 どんな宣告を受けるのだろうか? もしかしたら・・・ 釣りのしすぎで、フロータントパウダーがミギミミの奥にいつの間にか大量に蓄積沈殿し、 みんなから嘲笑され相手にされなくなっちゃうんじゃないか・・・。 もしかしたら・・・ 釣りのしすぎで、ユスリカアダルトがミギミミの奥にいつの間にか産卵し、孵化し始めボウフラが数匹うごめいており、 みんなから真っ白いDDTの粉を頭からかけられ足蹴にされちゃうんじゃないか・・・。 不安が尽きません。 始めていくその開業医は女医さんでした! そうですね、多分前回の戦争前にお生まれになったことだけは間違いなさそうな貫禄でした。 少々目と耳が、ちょっと機能低下されているように見受けられました。 「耳掻きすると右耳からガサガサ異音がするんです。」 「そりゃ、加減しないで鼓膜の近くでやったらしますよ。」 「でも左はしません。」 「あなた右利きでしょ。右と左では力の入れ具合が違うのよ。」 う~~ん、なんだか一筋縄ではいかない予感がしてまいりました。 「どれどれ、とりあえず見てみましょうか。」 なんか得体の知れない金属製の器具をミギミミに装着され穴が拡張されました。 覗いておられます、ワタクシのミギミミの奥の底。 サイドテーブルにある妙にアンティークな装置の一つを、おもむろにこの女医さんは手にします。 タイイングで使うゆるくアールのかかったピンセットの片足を、パイプ状にしたような治療用具のようなものです。 そしてテーブルのサイドに不自然に付いた茶色の丸いボタンを押しました。 すると手にした治療器具の先端からものすごいバキューム音が聞こえてきました。 そう、耳専用小型掃除機のようです。 多分、旧西ドイツ製です。 ミギミミの奥の底に挿入してきます。 F/A18 ホーネット並みの爆音です。 「あっ、なんか出てきたね。」 女医さんは、F/A18 ホーネットのジェットエンジンをOFFにして言いました。 さらに別の器具を使い、その「なんか」をやっとの思いで引き出してくれました。 拡大鏡で確認しておられます。 「なんだろうね、動物の毛かなあ。」 そういって小さなシャーレに乗せた物体をワタクシに見せました。 「なんだろうね、動物の毛かなあ。」 再び同じことを口にしました。 「さあ?なんでしょうねぇ。」(・・・・・!たぶん、コック・デ・レオンのヘンのファイバーだ!) 「まあ、これでもうイヤな音に悩まされくてすむわね。お大事に。」 「ありがとうございました。・・・猫の毛かなあ。」 「違うわね、鳥の毛ね。」 たまには、写真無しの長文もよいでしょ。
by flyfishist
| 2007-11-05 23:05
| フライフィッシング
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Comments(10)
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jacamano at 2007-11-05 23:25
耳、とりあえず大事でなくてよかったですね。
僕は入院とか折ったり切ったり貼ったりとかないんですよねぇ、、。 ついでに歯医者もありません。 なので今までの不摂生のしっぺ返しがいつ来るのか怖いです。
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肥満
at 2007-11-06 00:50
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ギャハハハ!キャッキャッ!。 クスクス...。
と、イロイロと笑っている私 何かしやらかして入退院したり通院したりしてっけど 耳ん中マテリアル突っ込んで病院なんか始めて聞いたぞ それってどーなの?癖になったりしない?あぁ~この感触が....なんて なんかやってる姿想像できちゃうから またおもしろい。 脂肪肝なんて気にしない!私は医者にイイフォアグラと言われた。
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釣りたいクン3号
at 2007-11-06 12:32
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ププッ。
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red-bean at 2007-11-06 20:50
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江バ
at 2007-11-06 22:13
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以前、同じような(?)擬音ノイズに悩まされ
耳鼻咽喉科に行ってみましたら、ミミアカらしき物が鼓膜付近にヘバリ ついており、このおっしゃっているF/A18 バキュームでは出てこず取り省くのに 物凄い時間がかかり、ちょっと焦った事を思いだしました。 私もタイイングしている自分の部屋にての時間が多く寝てるのも そうだし、このお話を機会に注意します。
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flyfishist at 2007-11-06 23:37
jacamanoさん、
歯医者もない!!? そいつぁ、すんごいですね。 そのような方々がおられるので、わが国の社会保険制度はなんとか持っているのかもしれません。 が、片方で足をひっぱているのが流浪の入院マニア、肥満どん。 あなたのフォアグラが薄く切られてディッシュに盛られているのを想像したら、ワタクシの肝臓がピクンと一回痙攣しました。 ププッって・・・。 そうやって人の不幸を地蔵堂の桜の木の陰から嘲笑するのは、 絶対、釣れないクン3号さんだな、チッ。
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flyfishist at 2007-11-06 23:42
red-beanさんとは、大変な思いのレベルが違いますって。
ワタクシなんぞまだまだ修行が足りやしません。 耳栓しながらタイイングするとうまくフライが巻けない様な気がします。 何の根拠もありませんが。 いや、やはり五感をフルに働かせてフライは巻くモンです、たぶん。
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flyfishist at 2007-11-06 23:46
江バさん、
今回はコック・デ・レオンのファイバー1本だったからまだ良かったですけど、 ディアヘアのナチュラルが7本まとまって出てきたらシャレになりませんね。 #22のグリフィスナットがモロっていうのもテンションあがりますよね。 気をつけてください。
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lemgmnsc-bara at 2007-11-10 21:41
毛で良かったですね。私は先日トレーニング後に綿棒で左の耳の穴を掃除していたら、いきなり出血しました。特に痛くもなく、発熱などの症状もなかったので単純に皮でもむけたんしょうけど、血が付いた綿棒を見た時はギョっとしましたね。ちなみに左耳からは結構長い耳毛が3本ほど出ています。
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flyfishist at 2007-11-12 20:42
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