2013年 05月 12日
木曜日あたりから、「週末、天気崩れそうですね。、へへっ。」的な電話が何件かありました。 そうですよ、土曜日は今シーズン最高になるかもしれない状況になりそうですよ。 ならば、みんなを代表して金曜日に前乗りし下調べをしておくというのが、 ワタクシの使命のような気がしなくもない。 毎週毎週高速代とガソリン代、それに宿泊代を使っていたら、住宅ローンが払えなくなっちゃうので今回は車中泊の予定です。 金曜日は天気が悪く(晴れのことですね。)、気温も高い・・・。 下流部より上流部の方が水が冷たくて気持ちよさそう、 と言う事でとうとうと流れる深瀬の流れ出しでライズを探します。 オオクマがパラパラ流れ出すと、 たくさんあるポイントの中で目星をつけていたあたりで3匹のライズが始まりました。 ん?小さい? やっとの思いで釣れたヤマメは22センチと20センチ。 まあ、一応これで今シーズン鬼怒川ボウズなし記録の更新です・・・。 ストマックはそりゃあもう、アラカルトでありました。 夕マヅメを前に、暑かった1日のせいかどっと疲れが出てきます。 川の近くの旅館に電話を入れてみます。 「1泊2食で¥6000-!」 温かいお風呂と作りたての食事、それに何よりお布団で寝られる。 とても優しそうなおかみさんの声にも負けて今夜は奮発決定! でも、その後夕マヅメになっても多少ライズがあるものの、スレッスレでお手上げ、終了。 決して豪華ではないけど、家庭的で食べきれないほどの量の料理とビールで即ヌクヌクお布団へ。 ビジネスホテルや大手格安ホテルチェーンより、圧倒的にアットホームで心からくつろげる。 そりゃ高級旅館ではないので、設備などは必要最低限ですよ。 でも、十分でしょ。 何より我が貴重なおこづかいが、大手中央資本に流れず、少額だけど地元に落ちるというのが良い。 きっと、 よいことが、 おきる。 翌日は家の近所に住むH島さんと宿の駐車場で合流し、初めて一緒に釣りをする。 ワタクシと同世代でフライフィッシングのキャリア実績ともスゴイ人。 恵まれたことに、自分の家の周りにはフライフィッシングにどっぷり下まぶたまで浸かって、 水面から目だけキョロキョロ出している方々がホントたくさんいる。 そういう人たちの、独自に進化してきたフライフィッシング文化みたいなものを感じ取れるのが最近とても楽しい。 さて、肝心の期待大の土曜日。 1年間こういう鬼怒川の日を待っていたといっても過言ではありません。 あのオフシーズンでのめくるめくような哀しいほどの甘美な妄想・・・。 ああ、もうダメぽ。 ・・・、・・・が、ムシが、ライズが、思っていた量の20%。 それでも少量のモンカゲのハッチに誘発されるバシュンライズが何度か起き、 ワタクシとH島さんの血管と心筋に過剰な負担を少しだけかけてくれました。 しかし、二人とも全く釣れずに時は過ぎ、ほとほと河原を彷徨い続けるのにも疲れ果て、 最後の望みを託そうとしたポイントには先行者がおり、最終時間は刻々と迫ってきます。 仕方ないのであまり期待していなかった手近なポイントにお互い上下に別れて入ります。 雨はしとしと降り続き、あれだけ期待していた気持ちはとっくにしぼんでいます。 ああ、やはりポイント選択失敗したかな。 2年前はとても良い思いしたけど、すっかり変わり果てたそのポイントにはヤマメの気配が全く感じられません。 ハッチもほとんどなく、絶望と諦めですっかり戦意喪失です。 膝まで立ち込んで少しでも水面の変化を見逃さないようにしていましたが、 まだ十分明るく時間は残されているにもかかわらず、 ラインを巻き取りながら岸へと後ずさりしていきます。 そう、岸へ上がる際にも、流れに背を向けず後ずさりしながらなるべく流れから目を離さない。 いつも心がけていることです。 後ずさりしながら何気なく上流側へ目を向けた瞬間、8メートル位上流の流芯脇でバシュンとライズ! 16:30PM過ぎにこのポイントに入って初めて見たライズ。 即、水面上空中を見まわしハッチしている虫を見つけます。 いつの間にか水面にモンカゲダンが2匹、ヒラタっぽいのも数匹、ヒゲナガは自分の顔の周りに1匹。 どれだ!どいつだ? するとさっきライズした場所から少しずつ下流へ移動しながら、バシュン、バシュンと力強くそして静かに繰り返します。 ライズフォームはヒゲナガではないような気がします。 モンカゲダンか、ヒラタか・・・。 ライズが遠ざかる。 混乱した頭が選択したのはクートを軽くハックリングしテールにはシャックを付けたエルクヘアカディス#10。 エルクはギュッと上へ立ててカゲロウのウィングっぽくします。 今日昼間、1日あれだけライズを探しまくり、やっと巡り会えたエラブタのライズでは2回もスカる。 それでもう終わったと思っていた。 でも、この日の最大で最後のチャンス、2回目のキャストで「バシュン!」、ガッ! 昨年作ってもらったKinuSpeNet。やっと役に立つ日が来ました。 Daydream Story 興奮して結果的にグダグタになった写真撮影を終え、 リリースしたヤマメを見送ってふと目線を上げると、 対岸の上流側の土手の上に人影が。 すでに暗くなりかけていたものの、 よく見るとそこにいたのは昨晩お世話になった宿の女将。 今朝見送ってもらった時と同じ格好をしている。 彼女は微笑んで軽くお辞儀をした。 その足元には大き目のブリキのバケツ・・・。 こちらに向かって何か話している。 時折吹く風に乗って、とぎれとぎれに声が届いた。 「また、・・来て・くださ・・・。」 「こんどは、・・・もっと・・おおき・・のを用意・・おきますから・・・。」 All photos・・・ ★ OLYMPUS OM-D E-M5 M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm F3.5-6.3 EZ ★
by flyfishist
| 2013-05-12 14:14
| フライフィッシング
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Comments(15)
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kiku
at 2013-05-12 15:36
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お久しぶりにセンスある師匠トークを聞けて楽しかったです。
にしても、あの後このようなドラマがあったとは・・・・・やっぱり師匠だなぁ。 僕ちんも精進して、大きいヤマメゲットンするんだいww また、何処かでお会いする日を楽しみにしていま~す!!
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S4Cream
at 2013-05-12 15:50
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3号
at 2013-05-12 21:16
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昨晩、臨時で大物検定委員会が招集され、会合をひらきましたが、
フライがいんちきという意見が大多数を占めました。 よって委員会の決定はマイナス8cmとなったことを報告いたします。 先生!さかなの釣り方を教えてください!!
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flyfishist at 2013-05-12 22:33
kikuちゃん!なんかあんなところで会えてホントうれしかった!
そうそう、いつものあのニヤ・・・、えがお! 汗びっしょりになって、走るように瀬を渡り駆け寄ってきてくれた。 どんどんフライフィッシングが洗練されて、 ますますKikuちゃんがKikuちゃんらしくなっていく。 んで、わちきはどんどん泥臭くなっていく。
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flyfishist at 2013-05-12 22:37
S4Creamさん、その超大型、本当に虹?
まあ、ヤマメだとしたらこりゃ相当ショックでかいから虹ってことにしておきましょうか・・・。 ライズ、そんなにあったんですか?! そういうこと聞くとますます河原を彷徨うハメになっちゃうんですよねえ。
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flyfishist at 2013-05-12 22:49
3号さん、とうとう家族の絆をぶっちぎって行っちゃったんですね、ダメなパパ。
昨日の夜、ワタクシが鼻歌交じりでニカニカしながら東北道上り線を走っている頃、 あなたたち貧民は雁首揃えてワタクシの使用したフライにいちゃもん付け合ってたということですね。 あのカディスフライを単なるカディスパターンや汎用性の高さで使ったとお考えなら、フフ、甘いですね。 あの時、あの状況下で何を取り、何を捨てるか。 その高度なギリギリの判断の結果がおのずとあのフライを選ばせたのです。 飲み屋で店の親父に、「とりあえずビール。」と言うのとは、ジゲンが違うのですね。 最後に、さかなの釣り方を教えておきましょう。 ひとつ:ひとの使うフライにケチをつけない。 以上。
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flymoto at 2013-05-13 15:43
鬼怒川らしい良い魚ですね〜おめでとうございます!
デッカい!純国産ヤマメ・・・釣りたいです^^;
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M
at 2013-05-13 16:12
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鋭利なシッポのVサインがご本人の気持ちを代弁していますね。
おめでとうございます。
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somebin
at 2013-05-13 20:16
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すごい、すごい!こうなるとやっぱり「ラスハイツモ」の気迫
とスキルの違いを感じざるをえないです。いやあ、スバラシイ。
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flyfishist at 2013-05-13 21:48
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flyfishist at 2013-05-13 21:50
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flyfishist at 2013-05-13 22:00
somebinさん、たしかにまさに「ラスハイツモ」って感じでしたよ。
でも、ラスハイをツモることは基本、スキルとはあまり、というか全く関係ありません。 このヤマメを見つけるまでは大変で、ラッキーでしたが、 「釣る」こと自体の難易度はかなり低かったです。 今年の4月30日に結構なファイトの末、 手元でバラしたシャク上ヤマメの方が釣り自体の難易度も高くとてもスリリングでした。 なんか、みんなからそんなに褒められるとコッパズカシイし、 あんなにあっさりと釣れちゃったことに、ビミョーな後ろめたささえ感じ始めています。 こんなブルーな気持ちになるんだったら釣れなきゃ良かったのに・・・。 ウソ。 調子の乗って、錯乱状態の動画もアップしちゃいます。
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カーネル
at 2013-05-14 07:22
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おはようございます。
今期2度目の鬼怒川から今戻ってきました。 36cmのヤマメ、おめでとうございます。 flyfishistさんもってますね・・・羨ましい限りです。 こちらは3日間やって12打数2安打でした。 (打数はフライに出た数です) ショボイですね・・・。
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flyfishist at 2013-05-14 19:53
カーネルさん、そりゃあまあお疲れ様でした。
そもそも、「今期2度目の鬼怒川・・・」という表現、 それは良くないです。 政治家的なあいまいさがあります。 「行った」のは2回でしょうけど、「居た」のは7日間じゃないですか! よく身体と精神が持ちますね! マジで尊敬しちゃいます・・・。
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